PDCAは品質管理や業務管理を継続的に改善するフレームワークとして広く知られています。
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)の4つの過程を繰り返して回すことで業務を継続的に改善していくもので、その効用についてはここで改めて書く必要もないでしょう。
しかし、万能のようなPDCAサイクルですが、うまく回らない、つまり改善につながっていないとお感じになっている方も少なくないのではないでしょうか。
私はこれまで、PDCAを回すうちに、「評価」から「改善」への過程で、どうしても評価の視点が近視眼的になってしまうのか、目まぐるしく変わる企業環境など周囲の変化に追いつかず、現状の「計画」が陳腐になってしまい、改善しきれず、気が付くとPDCAそのものを回さなくなってるような失敗を繰り返していました。
PDCAの大家に、「きさま、PDCAの極意が全く分かっていない!」と怒られそうなことをずっと続けていました。
「評価」が甘く、変化を見過ごしてしまっているからだとか、もとの計画が悪いから仕方ないとか、いろいろ言い訳を作ってフェードアウトしていたように思います。
そうなんです、PDCAとして誇れるような仕事での成功事例を今すぐ説明できないのです。
以前、部下にPDCAを説明する際に、「高校時代、憧れの女の子に偶然を装って駅の改札で出会えるよう、家を出る時間、電車の車両と扉、歩く速度を、いろいろ試して、その結果、再現可能な最適解を導き出した。PDCAの成功事例だ。」という話をした際に、ストーカ犯を見るような目でドン引きされてしまいました。
最近の成功事例では、「コロナ禍でできるだけ人と接触しないため、列車番号、車両を追求した結果、京都から名古屋までの区間、車両に一人だけになり、めちゃくちゃ寂しかった」こととか、くだらないことでの成功事例はたくさんあります。単にコロナの影響であって、これなんかはPDCAの成果とは全く違いますよね。
現在、わが社は業務課題の一つとしてベテラン社員の大量退職を目前に控え、「技術継承」への対応が求められており、データ分析なども取り入れながら「暗黙知の形式知への転換」を目指しており、転換の過程でもPDCAで最適化が必要となります。
この対応のためには、現状を徹底的に「評価」することを求めましたが、このCheckの作業は職人気質のベテラン社員にとっては、ものすごく大きな負荷がかかるようです。
このままでは、いつになったらActionの「改善」に繋がるのかも見えてこないのが最大の悩みでした。
もっとPDCAを回しながら、社員に日々の変化を感じさせることができないかと感じるようになりました。
そのような時、Kindle本を検索したところ、Kindle Unlimitedに冨田和成著「鬼速PDCA」という興味深いタイトルの本があるではないですか。
この書籍は2016年発刊で、10万部突破のベストセラーとのことで、図解版、漫画版、手帳版など様々な派生商品があるようです。
著者の冨田さんは「鬼速PDCA」を「完了という概念を持たず、常に成長し続けるもの」、「前進するためのフレームワーク」と位置づけ、まさに「鬼速」でPDCAサイクルを回し、成長、成果を上げ続けていくと書かれています。
(ちなみに鬼速では、PDCAのAはActionではなくAdjustとされています。これはActではDoと混同すること、良いところを伸ばす伸長の意味も含めて、改善ではなく調整のAdjustとしているということです。)
冨田氏はフィンテック企業ZUU社のCEOで、自社社員に常に複数のPDCAを回し続けることを義務付けているということです。
もちろんフィンテック企業のCEOとは違いますが、私も少しだけでもそのエッセンスを取り入れて、現状のブレークスルーに役立てたいと感じていますが、いきなり部下にやらせたら鬼速でブーイングとなりそうです。
さすがにさらっと本を流し読みしただけで、部下に行動させる自信がありませんので、まずは自分の仕事や資格試験の勉強で実践してみたいと思います。
内容は非常に具体的に記載された実用書となっています。
そのまま使えそうなワークシートや、自問するための鬼速クエスチョンなどもすぐに使えそうです。
また、自分の勉強でやってみた感想など、後日ご紹介したいと思います。(鬼速でリタイアしてるかもです。)